私を覚せい剤から救ったもの

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私が薬物に手を出したのは、興味から。
ほんと安易でした。
それから約5.6年続いた人間失格の人生。

一番最初は、当時S(エス)と呼ばれていたスピード。
火であぶり、煙を吸ったり、鼻から直に吸い込む。

エスカレートし、注射を使った覚せい剤へと手を出してしまう。

仕事や生活に支障はきたしていないし、誰にも迷惑かけてない、
なぁんて当時は、ほんと身勝手にもそう思っていた。

もともと血管が細く、献血でも人の2倍時間のかかる血管が、
そのうち針をうけつけなくなる。
もうやめて…いい加減にしなきゃ…こんなこと続けて私どうなるんだろう…

覚せい剤による爽快感や、気持ちの良さより、
その行為自体にはまっていく私。

そう、あの時も、やめよう…
いい加減こんな自分はいやだ…
と、針から逃げてなかなか入らない血管相手に格闘しているときだった。

なんとなくつけていたテレビに、
ボクシングの世界戦が映っていた。

“宮崎県宮崎市出身のプロボクサーで、WBA世界スーパーフライ級、
同世界バンタム級(暫定)王座を獲得。日本人5人目の世界2階級制覇を達成した。”
もう現役ではないが、戸高秀樹の2度目の世界挑戦の試合だった。

打たれても、打たれてもなお、愚直に前へ…前へ

頭がボーっとしている私は、手を止め、じーっと観ていた。
とめどもなく、涙が自然と溢れでてくるのに気づいた。

“もうやめよう!”

そう心に決め、毛布に包まり、ガタガタいう私を・肩を
自分の腕で押さえつけ、抱きしめて、時が過ぎるのを待つ。

恥ずかしながら、完璧にやめるまで幾度か挫折したが…

私はあのころの自分の愚かさを忘れはしない。
腕にいまだに残る、痕。
消したくとも、消せない。
そして、まだ震えることのある指。

自分を見失わずに生きていくためにも、過去も今も、
これから先の自分と向き合うために。




コメント
この記事へのコメント
告白的なこと。聞けてよかった気がします。
弱い事を伝えられるのは
「強くなっている」ことだと思います。

少しずつ少しずつ、強くなってます。強くなる事は幸せになることですよね。相手も自分も。
2008/03/30(日) 08:39 | URL | かず #rNw6dfEs[ 編集]
そうですね。
色んな経験をし、それを受け止めて乗り越えてこそ、
幸せがあるというか、実感できるのだと今は、
つくづく思います。

泣いたぶん、怒ったぶん、そして笑ったぶん人間は成長できる。

きっとそうですよね。
2008/03/30(日) 09:10 | URL | ryoko #-[ 編集]
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